今夏の初呑切りで、 60年かけ日本酒「雑賀」を築いた岸本杜氏さん引退

2011年07月23日

冬に仕込んだ日本酒をすべての品質をチェックする酒蔵恒例の夏の行事が、「初呑切り」。
この日は、ふるさと但馬に帰っておられる岸本義弘杜氏さんも久しぶりに元気なお顔をみせてくれ、酢蔵、酒蔵のメンバーも集まって、家族みんなで食事をするのが慣わしです。

しかし、60年にわたりうちの蔵の歴史をともに歩んでくださった岸本杜氏さんが、高齢のため、とうとう引退することになりました。

日本酒「雑賀」の味を築いてこられた岸本杜氏。ふるさとの但馬から毎年、軽トラックで蔵入りし、毎年10月末から春までの半年間は住み込みで昼夜問わずの酒造り。食事も家族と同じ釜の飯をともにしてきました。

洋子ママが雜賀に嫁ぐより前から蔵におられ、もちろん、主人が生まれた時のこともご存じです。その人生の大半を、雜賀の蔵とともに歩いてくださいました。
 

蔵が移転を余儀なくされた苦しい時期もともに支えてくださり、酒蔵の基礎を築き、かつて以上に活気づけてくださいました。

御年83歳と思えないほどがっちりとした体に大きなふくよかな手、やさしいお顔には、誠実で勉強熱心、己に厳しい人柄があふれていました。たくさんのことをみんなが教えていただいてきたのです。

岸本杜氏さんは、この60年を振り返りながら、「ほんとに長い間お世話になりました」と話してくださり、会長、主人もこみ上げるものを押さえつつ、岸本杜氏さんの労をねぎらい、支えてくださったことに心から感謝を伝えます。

この日は、次期杜氏を勤めてくださる、同じ但馬杜氏の今田義男さんも来てくださいました。
今田さんは御年72歳。杜氏歴も38年と長く、全国新酒鑑評会で4度の金賞、5度の入賞のキャリアをもつベテランです。

「岸本杜氏の名を汚さぬよう、精進してお酒づくりに邁進します」と、力強くあいさつしてくださいました。

雜賀の蔵のことをよくよく考えて引き継ぐことを決めてくださった、その真摯で誠実な人柄にふれ、次期の酒づくりを内心、心配していた蔵人や家族を、どれだけほっとさせたでしょう。

お酒造りにあふれる情熱を注がれている今田杜氏さんの熱意と言葉に、みなの笑顔と拍手がこぼれました。

岸本杜氏さん、これまでほんとにご苦労様でした。そしてありがとうございました。このHPができたら、ふるさと但馬でみてくださいね。
 

雜賀の蔵で醸してくださった最後のお酒。
みな、それぞれの想いを胸に、乾杯しました。

 

紀ノ川産、採れたてブルーベリーと ブラックベリーのサワードリンク

2011年07月13日

紀ノ川筋は桃や柿を代表するフルーツ栽培が盛んです。

蔵の近所の産直スーパー「よってって」をのぞくと、地元で採れたブルーベリーとブラックベリーが山積みされていました。

 

粒ぞろいのプチッと熟れたブルーベリーに、珍しいブラックベリー、そのまま食べてもとってもおいしい。

サワードリンクにしてみました。

ブルーベリーは以前も漬けたのですが、味わいや色合いをしっかり出すために、2カ月はじっくり漬け込みたいところ。

果実:氷砂糖:酢を、1:1:1が基本。 お酢は、特別仕込みの「吟醸酢」を使いました。

純米大吟醸の酒かすと、純米酒で木桶仕込みの酢は、キリッとしまった、酸味まろやかなきれいなお酢です。

雑味がなく、果実の味わいをしっかり引き立ててくれるので、ドリンクビネガーにも最適なのです。

 

シャッキリ感抜群!3年物の熊野古道育ち 洋子ママこだわりの「ラッキョウ」甘酢漬け

2011年07月09日

6月、7月はお酢のいちばん売れる時期。
というのも、梅にラッキョウ、ミョウガ、新生姜と、酢漬けの食材が収穫される時期。また、湿度も高く食材が傷みやすいのも、体の調子が崩れやすいのもこの時期です。保存に最適で、疲れを和らげてくれる酢の料理が、食卓には欠かせません。

和歌山は全国一番のお酢の消費県といわれるだけあり、お店では900mlのビンが一般的に並んでいます。年中、四季折々の海、山の幸でサッパリとした酢の物料理がつくられますし、お寿司の種類の豊かさは、もしかしたら全国一かもしれません。

洋子ママ、今年はラッキョウを大量に漬け込むのだと張り切っていたら、選りすぐりのラッキョウが50㎏近く届きました。小粒ですでにきれいに皮を剥いてくれています。すべて中辺路町産。洋子ママと私のふるさと、田辺市の熊野古道の郷で育てられていました。
 

「この小さいのが美味しいのよ。ラッキョウは1年ものは大きいけれど、2、3年すると小粒に実る。そのラッキョウがシャリシャリとしてすごく美味しいの」と、洋子ママ。
届いたらスピードが肝心、と、洋子ママは大きなプラスチックの樽にラッキョウを入れて、すぐに塩漬けにかかります。

塩漬けしている数日の間に、ラッキョウ酢も大鍋でつくります。黄金色の米酢がとろっとしてきました。
米酢、みりん、砂糖だけのシンプルな手作り甘酢。甘すぎず酸っぱすぎず、きりっと引き締まった味わいが、洋子ママの自慢です。

塩ラッキョウは水でいい塩梅に塩を抜き、熱湯をかけてラッキョウ酢に漬けます。完成したラッキョウは、さっぱり甘酢がしっかりしみ込み、歯触りが抜群にシャッキリとした自慢の「蔵ラッキョウ」です。
これからもっと味がなじんでさらにまろやかに、美味しくなってゆくそうです。

冬には蔵人の昼ご飯にも欠かせません。カレーライスをつくるのが楽しみです。

 

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