【日本酒・食酢】幸先良好!仕事始めに出品酒の袋づり。写真家 内山りゅうさんが来蔵!

2014年01月08日

新年、明けましておめでとうございます。ぼちぼち発信の「蔵裏ブログ」ではありますが、昨年以上にもっと私たちの蔵の想いをお届けできるようがんばりますので、今年もどうぞよろしくお付き合いくださいね。

さて、真っ青な空と桶水も凍る、冷え込む6日朝、私たちの蔵も仕事始めとなりました。・・・といっても、日本酒蔵はお正月も無休で造りが続いています。そしてちょうどこの日に、大吟醸を酒袋でしぼる「袋吊り」という作業が行われました。

醸され、しぼり時を迎えたもろみを酒袋に入れて吊し、ゆっくりと時間をかけて自然にしぼる昔ながらの手法です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかくなので、生物写真家の内山りゅうさんにお誘いのお声をかけさせていただいたところ、快く早朝はるばる、お住まいの白浜町からかけつけてくださいました。

内山さんは、淡水の生きものと、水をとりまく多様な命あふれる環境をテーマに長年取材を続けており、その貴重な記録とメッセージをさまざまなメディアで国内外に発信されています。

数多くの写真集を精力的に国内外で発表し、テレビ番組制作や出演、子供たちの「川ガキ養成講座」、講演、著名な芸術家とのコラボ企画までこなします。

数十キロの撮影機材を背負って、川だけでなく海にも潜るし山にも登る。まるで修行僧のように被写体に向き合い続ける取材姿勢そのものが、「情熱大陸」(TBS系列局)などのテレビ取材を受けるほど。

和歌山にこんなすてきな写真家がいるなんて、ふるさとの宝物だといつも思っています。(内山りゅうさんHP http://uchiyamaryu.com/

さあ、幸先よい新年の蔵のスタート。内山さんもこの日が仕事始めとのこと。久しぶりにお会いする内山さんは、13年ほど前に初めてお会いしたころと、やっぱり変わらない、引き締まってすがすがしい笑顔です。

うちの蔵は、食酢と日本酒の蔵が隣接していますが、食酢は酢酸菌、日本酒は麹菌と、どちらも「菌」という生きものを扱っており、特に酢酸菌が日本酒の蔵に入らないように、人も物も移動は厳密。よって、内山さんの撮影も、まずは酒蔵、そして酢蔵への順序です。

酒袋にもろみを入れて、ぽたぽたと袋から自然にしぼり出される大吟醸。しぼり落ちたお酒は、「斗ビン」と呼ばれる丸いガラスビンに流れ落ち、さらにこれを静置して自然に沈殿する澱(おり)をきれいに取り除いたものが、出品酒となります。今田杜氏さんが、しぼりたてをきき猪口に酌んでくれました。内山さんにきいてもらい、そしてみんなも。香りがフワァ~と立ち上り、口に含むとなんともフルーティーでほとばしるようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に、食酢の蔵へ。30石の木桶が並ぶ蔵は壮観で、内山さんにとっても刺激的みたい。大きな木桶の足下に座り込んだり、リフトに登って上から眺めたりと、静かな蔵内に長い間シャッターの音が響いていました。

 

和歌山のすぐれた水、そして、こうした目に見えない生きものが支えてくれている和歌山の「食文化」。川や田んぼの生きものだけでなく、私たちの蔵そのものの息づかいを、内山さんが同じ眼差しで見てくれたことが、ちょっと誇らしくて、ほんとうにうれしかったです。

蔵に息づく「菌」たちも、ざわざわと喜んでいるように思えました。

 

 

 

 

 

 

【蔵の移転:回想7】新蔵で初めての木桶の仕込み。酢蔵の新人、中森くん

2013年12月01日

それは木桶の引っ越しが本格化する直前のこと。先に運ばれた木桶への、酢の仕込み作業が行われました。新しい蔵での初めての仕込み作業。創業当時から受け継ぐ酢酸菌を、この新しい蔵の木桶に根付かせる作業です。無事に根付いてくれるのか、新しい蔵でココノヱ酢の味が受け継がれるのかが、この作業にかかっています。

この記念すべき初仕込みに、今年1月に入社したばかりの酢蔵の新人、中森くんも真剣に取り組んでいました。

食酢の製造部長、“あにさん”こと福本貢さんから指導を受けながら、中森くんよりちょっと先輩の浦谷くんともども、仕込み方を学びつつの初仕込みです。

旧蔵から運んできた2年熟成させた酒粕「ふんごみ粕」を湯で溶いて、アルコールや湯をさらに足して木桶を満たします。

「おい!手が止まってる。桶の底からまんべんなくかき混ぜながら温度を計るんや」「温度が下がってきてるやないか。はやく沸かせろ!」と、モーター音が響く中、あにさんの大声が二人にとびます。

なにせ大きな木桶です。木桶全体をまんべんなく発酵に適した温度に調節するのも一苦労。カメラを桶に向けると、むせ返るような湯気が桶の中から吹き出してすぐに曇ります。みな汗だくになっての作業です。

真剣なまなざしで、あにさんの言葉をもらさずに会得しようしている中森くん。あにさんの作業の様子をできるだけ近くで学ぼうと、すかさず隣のはしごに駆け上がり、前のめりになって見ています。見て、触って、感じて、匂いをかいで、味をみて、体全体で学ぶことが大事なことを、中森くんは気付いているようです。 

さあ、最後に酢酸菌を入れます。これが、旧蔵から運んできた酢酸菌。創業当時から絶やすことなく受け継いできた酢の種です。タッパに入れて運ばれていました。液体の中に浮いている白っぽい膜のようなものがそうです。

 

桶全体にまんべんなく広がるように、ゆっくりと酢酸菌の入ったタッパを回し入れます。「どうか、しっかりとこの桶で菌が根付きますように」。タッパをもつ手に、祈るような思いが込められているのが伝わってきます。

ひとつ先輩の浦谷くんも、負けじとひとつの桶の仕込みをまかされます。

さあ、元気に発酵してくれますように。新しい蔵で生まれる初めてのお酢のできあがりが楽しみです。

中森くん、今日の日のこと、忘れないでいてくださいね。主人が言っています。「期待の新人なんだからな」って。

 

 

 

 

【日本酒】元日本チャンプご一行、来蔵!

2013年10月07日

前の日から主人はうきうきしていました。朝、起きるとすぐにロードワークとボクシングジムでいつもの一人練習をして帰ってきた主人。汗を流したあと、先月観に行ったオリンピック金メダリスト、村田諒太のプロデビュー戦(応援したのは主人が長年お世話になっている、ワタナベジム所属の東洋太平洋チャンプの柴田明雄)の記念Tシャツに袖を通します。 そう、今日はバンダム級の元日本チャンピオン、島村聡一さんご一行が、私たちの蔵に来てくれるのです。

来蔵されたみなさんと、記念写真。おもわずファイティングポーズが出ます。右から2番目が島村さん。ご一緒くださったのは、島村さんの旅仲間のみなさん。左から鉄山さん、上村さん、右端は田路(たじ)さん。それぞれとても魅力的なみなさんで、もう8年も毎年一緒に、海、山歩き、修験道歩きとアクティブな旅をされ、この日も、蔵見学のあと南下し、熊野古道の里、中辺路町の備長炭職人のお宅を訪ねたり、海釣りをされるのだと、とても楽しそうです。

島村さんと主人との出会いは、ボクシングの舞台・・・ではないのですが、島村さんは現在は横浜反町の鳥料理、焼き鳥の人気店「纜(ともづな)」のご主人。絶品の鳥料理を出してくれるそのお店に、うちの日本酒「雑賀」を置いてくださっています。主人はボクサー同士のご縁なのか血が騒ぐのか、時々お邪魔してはお世話になっているのです。

新蔵は、作業場はほぼ出来上がって稼働をはじめていますが、事務所もまだ仮。これからはじまる二期工事が終わらなければ、お客様をおもてなしする応接間もありません。ですから、こうしてお客様をお迎えし、試飲などをしていただくのは移転後、初めてのこと。

桃畑に囲まれたうちの蔵、酒蔵からご案内します。麹室や絞り器など、製造部門と、年間通して温度管理が徹底できるようにクーラー、配管をめぐらした貯蔵タンク部分など。

日本酒、梅酒、ノンアルコール飲料の試飲も行いました。「きき酒」です。まずは、主人が試飲の仕方、色や香り、味わいなどの見方をレクチャーします。

なにしろ、料理人の島村さんはもちろん、下村さんは横浜唯一のふぐ料理店のご主人でミシュランの1ツ星も獲得しているという職人さん。鉄山さんも田路さんも、味わいに関しては一家言ある、食べること、飲むこと大好きなメンバーです。

「純米吟醸の山田錦のこの香りがたまらないなあ」「この純米吟醸は料理の味を邪魔しないんですよね」、「ぼくは純米酒の味わいが好みだなあ」などなど、それぞれの感想を聞ける時が私はとても楽しい。鉄山さんは、甘酒「麹の助っ人」を試飲して、「甘酒って麹の味が苦手で飲めなかったけど、これはおいしい!」と感激してくれて、私も感激!

酒蔵巡りと試飲体験したあとは、うちの蔵ならではの酢蔵へ。100年ものの大木桶もある木桶蔵に入ると「わあ」と声がわきます。醗酵中でむわっとあたたかい木桶の中をのぞいてもらいました。

事務所では会長の父と、看板娘の母をご紹介し、母の自慢の中辺路産らっきょうの甘酢漬けを味わっていただいて。

「すごく素敵なみなさんだったなあ。ぜひまた会いたいね」と、お見送りして主人と話します。名残惜しくて、中辺路の旅にもついて行きそうになりました。主人の海外出張がなければ行きました、一緒に。

「それにしても」と、主人。「島村さんの拳を間近で見たら、大きくて、すっごく堅そうなんだよ。パンチあるだろうなあ。殴られたら効くぞ。やっぱ日本チャンピオンはすごいよ」と、しみじみ。やはり主人にとってはボクサーのチャンピオンは格別な存在なんですね。

来てくださって、ほんとにありがとうございました。またぜひ、桃山に来てくださいね。次は、看板もあがって、もっともっと元気な蔵の様子を見てもらえるはずですから。

 

 

このページのトップへ